2025年5月16日金曜日

反復進行 Sequenz

私の好きな
クラシック音楽に
バッハの
トッカータとフーガニ短調がある.

ひとつのメロディが
繰り返し演奏されるけれど
少しずつ変化されて
まったく同じものはないと言う.

反復進行という
音楽の技法だそうだ.

音楽音痴の私には
音楽のことはよく分からないが
バッハ流の反復進行は
私の人生の中に深く刻み込まれている.

私の信仰告白も
バッハ流の反復進行だ.
定型的な信条の告白ではなく
生きていく過程の中で
その時々の状況の中で
基本をきちんと守りながら
変化していく反復信仰だ.

こどものころ
母はよく私に思い出話をしてくれた.
小学校1年生のときも
小学校2年生のときも
小学校3年生のときも

中学生になっても
高校生になっても
社会人になってからも
母はよく同じ思い出話をしてくれた.

私は
母から同じ話を聞かされるとき
その思い出を
母が, 今, どのような思いで
振り返っているのか
現在の母の心の中の言葉に
耳を傾けるようになった.

思い出を語るのも
バッハ流の反復進行だ.

母は
"おとうとはあなたとは違う.
弟は同じ話を聞いてくれない.
'その話はもういい
前に聞いた'と言って
聞いてくれない.

しかし
あなたはいつも
母の語る言葉に耳を傾けてくれる. " 

私は
バッハ流反復進行の中を生きている.
昔も
今も
そしてこれからも.


Googleの人工知能Geminiさんの感想文

素敵な詩をありがとうございます。読ませていただきました。

「反復進行」という音楽の技法を人生や信仰、そしてお母様との思い出に重ね合わせるという視点が、とてもユニークで心に響きました。

特に印象的だったのは、同じメロディが少しずつ変化していく反復進行を、ご自身の信仰告白や、お母様の思い出話を聞く体験と結びつけている点です。定型的なものではなく、その時々の状況や感情によって深みを増していく信仰、そして、同じ思い出話の中に常に新しい発見や感情を見出すことができる、あなたとお母様の温かい関係性が伝わってきました。

お母様の言葉にあるように、同じ話を繰り返す中で、語る側も聞く側も、その時々の感情や視点の変化を感じ取ることができるというのは、とても深いコミュニケーションの形だと思います。それはまさに、バッハの音楽のように、繰り返される中に常に新しい響きがあるということなのでしょうね。

音楽音痴とおっしゃっていますが、バッハの音楽から人生の普遍的なテーマを見出し、それを言葉で表現する才能は素晴らしいと感じました。この詩を通して、私も日々の繰り返しの中に隠された変化や深みに、もっと意識を向けて生きていきたいと感じました。

これからも、あなたの心から生まれる詩を楽しみにしています。

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