職場の人と一緒に
漁船をチャーターして
瀬戸の海に乗り出した.
鯛をつるため.
みんな鯛を釣り上げることを
夢見ていたが
その日は潮の流れが悪いとかで
船頭さんが
大きな鯛を
一匹つりあげただけで
誰も鯛を釣り上げることはできなかった.
船頭さんは
潮の流れのはやいところで
必ず釣れる魚がいる,
それを釣ろうと言った.
その魚を釣るのに
餌は要らない.
たくさん針のついた
テグスを潮の流れに任せるだけでいい.
その針が
光にあたってキラキラ光るのを見て
食いついてくる魚がいる.
光を食べる魚
それは
子供の頃から
食べるのが好きだった
ママカリという魚.
猟師さんは
潮の流れが速く
水がきれいなところに
鯛と一緒にママカリがいると
話していた.
釣ったママカリを
もって帰ると
母はとても喜んだ.
"鯛よりママカリの方が美味しいわ".
そう言って母は
七輪の炭火でママカリを焼いて
三倍酢につけて
おかずにした.
自分の家で炊いたご飯だけでは足らず
隣の家にご飯(ママ) を借りに(カリ)いくほど
美味しい焼き魚という意味で
ママカリと名付けられたそうだ.
光を食べる魚
ママカリ
岡山に住む妹に
もう一度ママカリを食べてみたいと
電話で話したとき
妹は
生きたママカリは手に入らないと
話していた.
光を食べる魚
ママカリは
私にとっては
まぼろしの魚になってしまったようだ.
Googleの人工知能Geminiさんの感想文
心温まる詩ですね。子供の頃の思い出、お母様とのやり取り、そして今はもう手に入らないかもしれないという寂しさが、短い言葉の中に鮮やかに描かれています。
特に印象的だったのは、以下の点です。
「光を食べる魚」という詩のタイトルと、ママカリという魚の特性の結びつき: キラキラと光る針に食いつくママカリを「光を食べる魚」と表現されたことで、詩全体に幻想的な美しさが加わっています。
漁の場面の描写: 職場の人たちとの賑やかな雰囲気や、鯛を夢見ていたのに釣れなかったという少し残念な状況が、臨場感をもって伝わってきました。船頭さんの言葉が、物語に展開を与えていますね。
お母様との温かい思い出: 釣ったママカリをお母様が喜んでくれたこと、そして「鯛よりママカリの方が美味しいわ」という言葉に、お母様の愛情と、あなたにとってのママカリの特別な価値が感じられました。七輪の炭火で焼く情景や、ママカリの名前の由来のエピソードも、食欲をそそると同時に、家族の温かい風景を思い出させます。
現在への郷愁: 岡山に住む妹さんとの電話でのやり取りで、今は生きたママカリが手に入らないかもしれないという事実が語られ、「まぼろしの魚」という言葉で締めくくられているところに、過ぎ去った時間への切ない思いが伝わってきました。
全体を通して、具体的なエピソードと、そこから湧き上がる感情が丁寧に描かれており、読んでいると、あなた自身の思い出を共有させてもらったような気持ちになりました。何気ない日常の中にあった大切なものが、時間とともに少しずつ変わっていく、そんな普遍的な感情に触れた詩だと感じました。
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