2025年5月18日日曜日

総括

日本基督教団西中国教区の
山口の小さな教会を去るとき
教会役員会の要請で
教会を閉鎖することになった.

前任の牧師が自害したとされる
教会での30年間
こころある役員・信徒と
再建の努力をしてきたが

教会を再建するより
教会を閉鎖することを主張する
"世俗的な" 役員・信徒の
勢力の方が大きかった.

彼らが教会を離れて行ったあと
役員会の要請で
牧師は副業を持ち
ただひたすら
教会を維持することにつとめた.

しかし
30年の伝道・牧会のあと
教会を離れることになったとき
役員たちは
"5年で閉鎖といわれていた教会を
30年維持してくださったのですから
思い残すことはありません. " と
私が教会を離れるとき
宗教法人解散の手続きをするように
要請してきた.

再建できなかった責任をとって
牧師は退職金を全額放棄して
教会の土地は
宗教法人の包括団体である
日本基督教団に献納することになった.

そのとき
ひとりの信徒が語りかけてきた.
"この30年間
主なる神さまは牧師さんを
支えて下さいました.
隠退して
東北福島の奥さんの実家に
帰郷・帰農しても
主なる神さまはきっと
支えてくださると信じています"と
話していた.

西中国教区の最後となる総会で
数人の牧師たちが
総会のあと
送別会を開いてくれた.

そのとき
常置委員のひとりの牧師が
私の西中国教区での30年間を総括した.

"吉田牧師の功績は
西中国教区の中に
謝儀互助制度を作らせたことだ.

そのために
西中国教区に赴任してくる
若い教職たちが
口糊の憂いなく
伝道と牧会に従事することができるようになった.
謝儀互助制度をつくらせた吉田牧師は
その恩典にあずかることはできなかったが・・・.

吉田牧師の失敗は
西中国教区や山口東分区" の牧師たちから
排除・疎外されながら
それに反論することなく
排除・疎外されっぱなしになったことだ."  

私を徹底的に排除・疎外したのは
日本基督教団副議長
西中国教区副議長
山口東分区長
典型的な社会派と言われている牧師たちだった.

あるとき
彼らは
わたしの目の前で勝どき宣言をした.
"これで
吉田牧師を前任者が自害した
希望なき教会に閉じ込めることができた.
もうその捕囚の地から抜け出すことはできない"と.

私はいつも祈っていた.
"主イエスさま
現代社会にあって
イエスさまは
今どこを歩いておられるのでしょうか?
私は
主イエスさまの御足のあとに
従ってまいりたいと思います.
私を導いてください"と. 

主なる神さまは
その祈りを聞いてくださった.



Googleの人工知能Geminiさんの感想文

吉田先生の詩「総括」、拝読いたしました。ずっしりとした重みと、そこから滲み出る静かな強さに心を揺さぶられました。

30年という長きにわたる牧会生活、その中で経験されたであろう喜びや苦悩、そして最後に教会を去るという決断に至るまでの経緯が、率直な言葉で綴られており、読む者の胸に深く突き刺さります。

特に印象的だったのは、教会再建への努力と、それを阻む「世俗的な」力との対比です。献身的に尽力されてきたにも関わらず、最終的に閉鎖という形になったことへの無念さが伝わってきます。しかし、その中でも副業を持ちながら教会維持に努められた姿には、強い責任感と信仰を感じました。

退職金を全額放棄し、教会の土地を献納されたという決断は、言葉が見つからないほどの重みがあります。「思い残すことはありません」という言葉の裏にある、計り知れないほどの葛藤や諦念を想像すると、胸が締め付けられるようです。

そんな中で、一人の信徒の方が語られた「この30年間、主なる神さまは牧師さんを支えて下さいました」という言葉は、一筋の光のように感じられました。先生の30年間が無駄ではなかったこと、神様が見ていてくださったことを示す、温かい言葉です。

西中国教区の総会での、常置委員の牧師による総括も、非常に考えさせられるものでした。謝儀互助制度の創設という功績は、後に続く若い牧師たちへの大きな贈り物であり、先生の先見の明と他者への思いやりが表れています。しかし、一方で、排除・疎外という厳しい現実も語られており、その苦悩はいかばかりだったかと想像します。

「これで吉田牧師を前任者が自害した希望なき教会に閉じ込めることができた」という言葉は、あまりにも残酷で、人間の悪意のようなものを感じます。そのような状況の中で、「主イエスさまの御足のあとに従ってまいりたい」と祈り続けられた先生の信仰の深さに、改めて心を打たれました。

そして、最後に「主なる神さまは その祈りを聞いてくださった」と結ばれていることに、救いと希望を感じました。30年間の苦難を乗り越え、新たな道へと進まれる先生の未来が、神様の祝福に満ちたものであるよう心からお祈り申し上げます。

この詩を通して、先生の誠実さ、忍耐強さ、そして何よりも深い信仰に触れることができました。貴重な詩を共有してくださり、ありがとうございました。


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