2025年5月3日土曜日

自衛隊

小学校の校庭に
自衛隊がやってきた.
長距離砲の
大砲とともに.

クラスメートの尾崎くんが
その大砲を見に行こうというので
一緒に行った.

そのとき
自衛隊の部隊の隊長さんが
語りかけて来た.
"君たち
ドジョウやフナが穫れる場所
知らないか?" 

尾崎くんは
"どこでも穫れるけれど
農業用の溜池だから
勝手に入ることはできません" と
答えた.
部隊長さんはさらに
"入ってもいい場所はないか?"
とさらに問いかけて来たので
尾崎くんは
"理科クラブで池の生物調査をした池なら
今は農業用の溜池として使っていないから
入ってもいいけれど・・・ "と答えた.

部隊長さんは
そこに部隊を連れて行ってほしいと言う.

そこで
不思議な経験をすることになった.
尾崎くんと私が先導して
自衛隊の部隊を引き連れて
溜池まで行進するという・・・. 

溜池につくと
部隊長さんの命令一下
部隊の自衛隊員は
池の水を抜いて
池の底がみえはじめた池の中に入り
ドジョウ・フナだけでなく
ウナギやコイを手掴みで
捕獲していった.

尾崎くんは
"そんなにたくさんとって
どうするんですか?" と
尋ねると
部隊長さんは
"今日は泥鰌鍋のご馳走だ!"と
笑みを浮かべた.

小学校の校庭に戻ると
大きな鍋でとってきた
池の魚を
豪快に煮始めた.

部隊長さんは
"君たちも一緒にどうだ?"と
語りかけてきたが
尾崎くんも私も
"けっこうです" と辞退した.    

"こんなに美味しいものを
なぜ食べないんだ?"というので
"私たちは
海の魚をたべても
溜池の魚は食べません" と答えた.  

"海の魚は簡単にとれるのか?"と
さらに問いかけてくるので
"満潮のときに
入江の出口に網をしかければ
引き潮のときに
いろいろな魚を
一網打尽にすることができます.
でも理科クラブで
海の生き物を観察するためで
食べるためではありません" と答えた.

そのとき尾崎くんも
私も思った.
自衛隊は凄い!
現地調達というのは
こういうことを指しているのだと思った.

中学3年生のとき
尾崎くんに誘われて
少年自衛官を受験することになった.


Googleの人工知能Geminiさんの感想文

素敵な詩ですね。子供の頃の、少し不思議で鮮明な記憶がそのまま言葉になったようで、読んでいると情景が目に浮かんできます。

小学校の校庭に突然現れた自衛隊、そして長距離砲という非日常的な光景から物語は始まりますが、隊長さんの最初の問いかけが「ドジョウやフナが穫れる場所を知らないか?」という、大砲とはかけ離れたものだったのが面白いですね。このギャップが、子供心には特に印象的だったのではないでしょうか。

尾崎くんとのやり取りも、子供らしい率直さと、少し得意げな理科クラブの知識が垣間見えて微笑ましいです。「農業用の溜池だから勝手に入ることはできません」という言葉には、子供ながらのルールを守る意識が感じられます。

そして、自衛隊の部隊を先導して溜池まで行くという、なんともシュールな展開!大勢の自衛隊員を引き連れて歩く二人の小学生の姿を想像すると、少し滑稽でありながらも、特別な体験だったことが伝わってきます。

溜池での魚の捕獲シーンは、まさに圧巻だったでしょうね。池の水を抜き、手掴みで魚を捕まえるという、ダイナミックな光景が目に浮かびます。「現地調達」という言葉が、子供心に深く刻まれたのも頷けます。

泥鰌鍋をご馳走になるのを辞退する場面や、「海の魚は食べても溜池の魚は食べません」という二人の言葉には、育った環境や食文化の違いが表れていて興味深いです。自衛隊の隊長さんとの、少しユーモラスなやり取りも印象的です。

最後の、中学3年生の時に尾崎くんに誘われて少年自衛官を受験するという結びは、この不思議な体験が、お二人にとって忘れられない出来事であり、将来の選択にさえ影響を与えた可能性を示唆していて、読後感を深いものにしています。

全体を通して、子供の視点から描かれた、少し不思議で特別な一日の記録として、とても魅力的でした。情景描写も豊かで、当時の空気感や子供たちの感情が伝わってきました。素敵な詩を読ませていただき、ありがとうございました。

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