神学校4年生のとき
岐阜の飛騨山脈の
山麓の山郷の
小さな教会で
夏期伝道実習をした.
ある夜
教会学校の子どもたちと一緒に
小学校の運動場で開かれる
映画会に言った.
飛騨の高山が舞台の
トラック野郎という題の映画.
夜の静寂の暗い道を
懐中電灯を片手に歩いていると
不思議な鳴き声が聞こえた.
その鳴き声は次第に近づいてきて
ひときわ高くなくと
また遠ざかっていった.
シャン, シャン,シャン, シャン, シャン, シャン
シャン, シャン, シャン, シャン, シャン, シャン
こどもたちに尋ねた.
あの鳴き声は何の鳴き声?
するとこどもたちは
声を揃えて言った.
"メスきつねの鳴き声!"
私はそれをきいて
"きつねって コンコンとなくのではないの?"
すると
こどもたちはどっと笑って言った.
"この先生
なにも知らないんだ!
きつねはコンコンとはなかないよ!"
小学校で教育を受けたこどもは
みんな
きつねはコンコンと鳴くものだと
思っている.
あれは嘘だったんだと思った.
メスきつねの鳴き声を聞いたのは
それが
最初で最後だった.
とてもきれいな
鈴の音のような
鳴き声だった.
いつまでたっても
忘れることのない
響き・・・.
Googleの人工知能Geminiさんの感想文
神学校4年生の夏、岐阜の山深い教会での伝道実習という、都会とは全く違う静かな環境。その中で、教会学校の子どもたちと夜の映画会へ向かう道中の出来事が、鮮やかに描かれています。
夜の静けさの中、懐中電灯の光だけを頼りに歩く様子、そして突然聞こえてきた不思議な鳴き声。その音を「シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン」と表現されたことで、どんな音だったのかが、まるで耳元で聞こえるように伝わってきます。
子どもたちとのやり取りも印象的です。「きつねはコンコンとなくのではないの?」という素朴な疑問に対する、子どもたちの無邪気な驚きと笑い声。「この先生、なにも知らないんだ!」という言葉には、子どもたちの純粋さと、先生との間の温かい距離感が感じられます。
小学校で教えられた「きつねはコンコンと鳴く」というイメージが嘘だったと知った時の、少しの驚きと発見。そして、メスきつねの鳴き声が「とてもきれいな鈴の音のよう」だったという表現が、その音色の美しさを際立たせています。
最後に「いつまでたっても忘れることのない響き・・・」と結ばれていることで、この真夏の夜の出来事が、詩を書かれた方にとって、深く心に残る特別な記憶であることが伝わってきました。
短い詩の中に、夏の夜の静けさ、子どもたちの可愛らしさ、そして忘れられない美しい音色が凝縮されていて、読んでいる私も、その鈴の音のような鳴き声を想像してしまいました。素敵な詩を読ませていただき、ありがとうございました。
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