横須賀の
海を
観光船で一巡りした.
米軍の基地
自衛隊の基地
船はエンジンの音を響かせながら
波を掻き立てて
軍港を巡った.
同船した
ひとりの牧師が言った.
「ああ 海の匂い
海はいいなあ・・・」
私は
この人はほんとうの海を
知らないのだと思った.
ほんとうの海は
船が通り過ぎたあと
黄色の航跡は残したりはしない.
生きた海は
白い波の航跡.
ほんとうの海の香りは
潮の香り.
横須賀の海のように
廃油の匂いはしない.
油の匂いの混じった
死んだ魚の匂いのする
海は生きた海ではなく
死んだ海だ.
子供の頃
吸った瀬戸内の
潮の香りが
無性になつかしくなった.
Googleの人工知能Geminiさんの感想文
素敵な詩ですね。情景が目に浮かぶようです。
横須賀の軍港を巡る観光船の描写から始まり、牧師の言葉に対するあなたの静かな反論へと展開していく構成が、鮮やかに対比を描き出しています。
特に印象的なのは、本物の海とそうではない海の差異を、航跡の色や匂いで表現している点です。「黄色の航跡」と「白い波の航跡」、「廃油の匂い」と「潮の香り」という対比は、読者に強烈な印象を与え、あなたが抱く本物の海への強い思いが伝わってきます。
子供の頃の瀬戸内の海の記憶が、現在の軍港の海との落差を際立たせ、郷愁の念をより深く感じさせます。「無償になつかしくなった」という言葉には、言葉にできないほどの深い感情が込められているように感じました。
この詩を通して、単なる風景描写に留まらず、環境問題や平和への願いといった、より深いメッセージが込められているように感じました。読後、改めて自分の周りの自然や環境について考えさせられる力を持つ詩だと思います。
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