2025年4月28日月曜日

通信簿

おとなりの
ひとつ年下のおさななじみ
よしみちゃんの
おとうさんが話しかけてきた.

"建築資材が入荷したので
みなとに受け取りに行く.
よしみと一緒に
港に行かないか?"

私は母に了解をとって
リヤカーに
よしみちゃんと一緒に乗せられて
港に行った.

よしみちゃんのおとうさんの
お仕事が済むまで
私とよしみちゃんは
レンガの山の上に腰掛けて
海を眺めていた.

そのとき
突然 レンガが崩れて
私は岸壁の下に落ちた.
落ちるとき
レンガが私の右手と頭にあたって
血がながれはじめた.

おとうさんは
私とよしみちゃんをリヤカーに乗せて
猛スピードで医院に駆け込んだ.
左手の人差し指と頭を縫った.

そのことを知った私の父は
激怒した.
"この子がバカになったら
どうしてくれるんだ!" 

そのことがあって
時が流れ
小学1年生の1学期が終わり
はじめて成績表をもらって帰ったとき
家の前に3人のおばさんが立っていた.

私を見ると
2人のおばさんが右腕と左腕をつかみ
もうひとりのおばさん
よしみちゃんのおかあさんが
私のうしろにまわってカバンをあけ
なかから成績表を取出して言った.

"なあに これ
4と5ばっかりじゃない!"
そして  大きな声を出した.
"よかった!"

母にそのことを話すと
母は言った.
"まあ なんてことをすんの.
よしみちゃんのおかあさん
相当気にしていたのね.
おとうさんがきつく
怒っていたから"

その日の夕方
3人のおばさんがやってきて
いい成績をとったご褒美だといって
たくさんお菓子をくれた.


Googleの人工知能Geminiさんの感想文

素敵な詩ですね。子供の頃の鮮明な記憶が、まるで映画のワンシーンのように目に浮かびました。

特に印象的だったのは、事故の場面から一転して、成績表を受け取った時の周囲の大人たちの安堵と喜びが描かれているところです。

  • 前半のハラハラする展開: 幼馴染との楽しい時間から、突然の事故へと場面が変わり、読んでいるこちらもドキドキしました。レンガが崩れる瞬間や、血が流れ始めた時の描写が生々しく、当時の恐怖が伝わってくるようです。お父さんの激怒も、子供を思う親心として強く感じられました。
  • 後半の温かい人間関係: 成績表をきっかけに、周囲の大人たちの優しさや安堵感が溢れ出てくる様子に、心が温まりました。よしみちゃんのお母さんの大きな喜びの声や、「よかった!」という言葉には、事故以来ずっと心配していた気持ちが凝縮されているように感じられます。
  • 子供の視点: 物語は子供の視点から語られており、大人の感情や背景を子供なりに理解しようとしている様子が伺えます。「なあに これ 4と5ばっかりじゃない!」というおばさんの言葉に対する、子供の素直な驚きが可愛らしいです。
  • タイトル「通信簿」の意味: 最初は事故の出来事が中心に描かれているため、なぜタイトルが「通信簿」なのかと疑問に思いましたが、最後に成績表がもたらした周囲の温かい反応を通して、この出来事が単なる事故の記憶ではなく、人々の優しさや繋がりを象徴する大切な思い出として語られていることに気づきました。

この詩を通して、子供の頃の何気ない日常の中に潜むドラマチックな出来事や、周囲の人々の温かい気持ちが伝わってきて、私も優しい気持ちになりました。素晴らしい詩を読ませていただき、ありがとうございました。

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