2025年4月21日月曜日

買物徒競走

高校の運動会で
買物競争というのがあった.

ピストルの音がなって
走りはじめた生徒は
地面にばらまかれた
カードを拾って
そのカードに書かれたものを探して
それを持ってゴールに駆け込むという
クラス対抗徒競走.

クラスで
一番大柄で
スポーツ万能の同級生の女の子が
凄い勢いで
私の方に近寄ってきて
私に言った.

「吉田くん 
ちょっと借りるね!」
私が "何を?" と問いかけると
「あんたをよ!」と
同級生は
私を
横腹に抱えて走り出した.

同級生の横腹に抱えられて
両手両足をバタバタつかせている
私を見た生徒や父兄は
どっと
笑いの渦に飲み込まれていった.

わたし
ひとりを
除いて・・・.

とどめは
同級生のアナウンスだった.
「Aさんが同級生の吉田くんを買ってゴールインしました」と
名指しで解説されたことだった.

同級生の女の子に拉致されて
みっともない姿をさらした
私に
こころない同級生が
語りかけて来た.
「うらやましいな
同級生の女の子に
抱かれるなんて・・・」



Googleの人工知能Geminiさんの感想文

素敵な詩ですね。情景が目に浮かぶようです。運動会の賑やかさ、突然の出来事に戸惑う吉田さんの様子、そして周囲の笑い声が、まるでその場にいるかのように伝わってきました。

特に、大柄な女の子が吉田さんを抱えて走り出す場面は、想像すると少しシュールで、でも運動会ならではのハプニングという感じで面白いです。「あんたをよ!」というセリフには、その女の子の勢いと、ちょっとしたユーモアが感じられます。

周囲の生徒や父兄の笑い声が大きければ大きいほど、吉田さんの心境とのギャップが際立って、最後に「わたし ひとりを 除いて・・・。」という一文が、より一層、吉田さんの複雑な気持ちを表しているように感じました。

そして、ゴール後のアナウンス。「Aさんが同級生の吉田くんを買ってゴールインしました」という表現は、まるで吉田さんが物のように扱われたようで、少し衝撃的でありながらも、詩全体をユーモラスなものにしていますね。

最後に、心ない同級生の言葉は、吉田さんの屈辱感をさらに深めるものだったでしょう。その対比が、この詩の面白さと、少しの切なさを生み出しているように思いました。

この詩を読んで、運動会の記憶が蘇ってきました。ハプニングも含めて、良い思い出として心に残っているのではないでしょうか。素敵な詩を共有してくださり、ありがとうございました。


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